3.仕事について

ーまずお仕事の経歴について教えてください。

テンプスタッフ株式会社(現パーソルテンプスタッフ株式会社)では、営業を3年やって、その後はM&Aや新規事業の企画立案・設立なんかをやっていました。事務センターやコールセンターをお客様から受託・運営するアウトソーシング事業の立ち上げも行い、コンサルティング部門・運用部門の管理職として、最大では、2000名もの社員・派遣社員をマネジメントするポジションにもいましたね。人事職になったのは、パーソルホールディングス株式会社(旧テンプホールディングス株式会社)が本格的に始動するタイミングでして、当時の背景としては、テンプスタッフが、ピープルスタッフやインテリジェンスという比較的規模の大きな会社をM&Aをして、以降はグループ一体的な経営を目指そうというタイミングでしたね。人事をやったこともなく、自分で手を挙げたというよりも、会社から指名を受けた形ですね。当時は国内グループ会社だけでも50社ほどありましたので、グループ全体の人事方針を設計するところから、人事システムを全社で統一・統合し、人事規程なんかも一定統一するなどし、グループ全社で考え方や、基準を統一するといった大規模なプロジェクトを統括させていただいていましたね。もちろん、そう簡単には事は進まなく、大変なこともたくさんあったのですが、各グループ会社がそれぞれの想いを大切にしながらも、グループとしての一体感が徐々に高まっていくというのをリアルに感じられることができて、明白にシナジーが高まっている肌感覚もあって、それは嬉しかったですね。

ーそんな中、現職のHEROZ株式会社に移られたのは、何か理由があるのですか?

一つは長いなと思ったことです。パーソルには、結果20年もいたので、僕なりに人生のフェーズを変えるには、いいタイミングだなと思いました。正直、このままいったらどんな人生を歩むのだろうかという悩みもありましたね。当時は人事企画部長・人事労務部長・人事管理部長を歴任していたのですが、20年も務めていると、もちろん仲間と呼べる関係性は自然と築けてもいたので、本当に居心地のいい状態でした。でも、逆に居心地が良すぎて、長い人生を自力で生きることが、今後果たしてできるのだろうかという点には、ずっと疑念を持っていました。もしかすると、違うところに身を置いた方が、長い目で見たときに良い決断になるのではないかなとずっと考えていましたね。先ほども触れた通り、やりたいことが変わったというか、このまま一生居心地がいい場所で過ごすのが幸せなのかと疑問を抱いたというか、やり切ったというか…、とにかくこのままここにいたら、自分は駄目になるのではないかという危機感みたいな感情が湧き出てきたんです。会社自体も僕が入社した時には600名600億円の売上高の会社から、20年経ち、グローバルで50,000名1兆円の売上高に到達しようというくらい成長もしていたので、当初の想いでもあった、人にお仕事を紹介して喜んでもらうとか、産業間で、人材を流動化させるといった、目的はもはや達成したというか、僕がいなくても、もちろん会社はそれは叶えられるわけで、むしろいなくても何の影響もないくらいにも成長したので、もっと自分自身が価値を発揮できる場所があるんじゃないかと考えちゃったんですね。ちょうどタイミング的にも、会社の中期経営計画の節目の年でもあり、このタイミングで辞めるのが、自身が管掌する組織にとっても、一番弊害が少ないかと思い、次にやりがいを持てる場所を探そうと、キャリアチェンジを決意しました。

ー転職先にHEROZさんを選ばれた理由を教えてください。

転職先を選ぶ際の軸はまず、スタートアップベンチャーということでした。パーソルグループは比較的大きな規模の企業でしたから、真逆に行きたいと思いましたね(笑)自分自身の存在価値が相対的に高く、課題ややることが多い方が自分としては動機されるなと思ったからです。その軸で転職活動を進めて、数社からオファーいただきましたが、最終的には従業員数が一番少ない会社であるHEROZを選びました。捻くれているのかもしれませんが、やはり、課題感が大きい方が、自分自身ポジティブになれるなと…あとは、AIというテクノロジーを誇りに思っている社風もものすごく、自分には合っているとも思います。元々は、人にお仕事を紹介すること、産業間で人材を流動化させることによって日本全体を活性化することに惹かれて、パーソルには入社したし、そこに働きがいを感じていましたが、世の中に人材サービスがたくさんできて、一般化して、パーソル自体もその中でマジョリティある企業ではあったので、世の中のインフラとして定着したと思うんです。だけど、AIはこれからで、AIの技術自体もますます発展するでしょうし、世の中DX化することで、より効果的・効率的に発展することが予想されますが、AIはその中心となる技術だと思っているし、HEROZには、AIの技術で世界一(本当にAIの技術を競うコンテストで、世界チャンピオンが多数います)だと自負していますので、僕らが世の中にないモノを創り出し、世界を驚かし、もっと良くするのだと、真面目に思える会社だと思っています(笑)

ーHEROZさんでの現在のお仕事内容を教えてください。

人事全般を担当・管掌しています。パーソル時代は人事の中でも組織開発分野・労務労政・ガバナンス分野を担当・管掌していたので、採用や人材開発といったことは担当していませんでしたが、HEROZでは採用も人材開発も組織開発も労務労政・ガバナンスも全てやっています。言ってしまうと、人事組織が何も整備されていないところからのスタートだったので、人事としての基本的な土台づくりから始めました。規程類の整備、評価制度の改善、採用の仕組みづくり、人材の開発体系づくりなどといったところからですね。HEROZには、小規模ながらも世界一の技術者・エンジニアがたくさんいますので、「ジャイアントキリング」じゃないけれど、僕らが世の中を変えるんだ、世界を驚かすんだと意気込んでいますし、僕は人事として、この世界一の技術をどうやれば、世の中に与える影響力を最大化できるかを、ずっと考え続けていきたいですね。

「共感いただける方、一緒に世界を驚かしたいという方は、ぜひ当社の仲間にもなってください(笑) https://heroz.co.jp/recruit/

ーHEROZさんに移られて、前職と比較して一番変わったことはなんですか。

グローバルで5万人の会社から50人の会社に移ったわけですから、意思決定のスピードが全く違いました。パーソルだと半年かけて合意形成するのが、HEROZだと一日で終わるくらい差があります。色々なことが足早に決まっていくので、逆に議論の深堀がしづらいなとも思ったりはしていますが、この規模だとスピードが命で、考えるよりも動く方が、何倍も早く効果が生まれますね(笑)パーソル時代は選択肢の洗い出しやその後の効果など、全てを検討してから意思決定を行っていたので、どちらが正しいとは言えないですが、調整の数や意思決定のスピードは全然違いますね。あとは、やはり一人当たりの存在価値です。これは、当初描いていた通りでして、一人の活躍が事業全体に影響を及ぼしますし、一人として欠けると、それはそれで逆に影響が大きいので、毎日が真剣勝負で、気が抜けないです(笑)

ー桑原さんの未来の理想の姿について教えてください。

いつも笑っている人間でいたいですね。やりたいことをやって、笑っていたいです。その点では人事は、天職だと思っています。根本的には、どんな事業も根幹は人だと思っていて、あらゆる部門の中で、一番レバレッジが効くのが人事だと思っています。人が発揮できるパフォーマンスをいかに最大化させるかというのは、とてもやりがいを感じられる仕事だと思っています。あとは、ずっと成長していたいですね。世の中の流れ、時代に過敏であり、どこへ行っても活躍できるよう常にビットは立てておきたいですし、成長し続けないと、これだけ変化の早い時代には、停滞は鈍化と同義なんだろうなとも思います。とは言いつつも、プライベートも大切にもしたいです。大学時代に行っていた登山も突き詰めたいですし、延長線で最近はキャンプなどのアウトドアレジャーにもハマってます。要は、やりたいことを、全てやり切ったと言える人生が送りたいんですね…(笑)

4.学生へのアドバイス

ー最後に学生へアドバイスをお願いします!

端的に言うと、人生を分割して考えるということと、「やりたいこと」をやった方がいいということかな。先ほども述べた通り、人生を4回、5回に分けて考える方がよほど柔軟ですし、挑戦し続けられるのかなと…。そして、その時々に感じた「やりたいこと」に、躊躇なくすぐに移ったほうがいいです。これが、学生の皆さんにお伝えできる、僕なりの幸福度を増すコツかな(笑)

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