10/17説明会@南大沢

2018/10/17(水)12:10~13:30ごろ、@南大沢キャンパス 講堂小ホール

会場の様子

  • 会場を講堂大ホールから講堂小ホールへ変更
  • 授業期間中の昼休みの開催にもかかわらず、参加者は15人以下。学生は3,4名程度か。

質疑応答詳細

*敬語等は基本的に省いた。

助教から

 まずは、旧東京都立大学卒業生、現3,4年生を含めた首都大卒業生、1,2年生を含めた新東京都立大学生、教職員、など、それぞれの立場にとってのメリット・デメリットは何か。

 続いて名称変更に関するデメリットとしては、卒業生が一生背負う「首都大学東京」の名前が不当に貶められている現状がある。「クソみたいな名前」「ヤバ目の大学の臭いがする」や、「「首都大学東京」をしょんべん桶の中に葬り去った」といった、聞くに堪えない暴言で満ちあふれているという現状がある。
 確かに以前から「変な名前」程度はあったが、ここまでの発言が公然と行われているのは、大学自身が公式に名前に問題があったと認めた、と捉えられたからというのが原因の一つ。この点、決定を行った経営審議会の参加者の責任は非常に重い。また賛成と述べた先生方は、みなさんの教え子がこのような誹謗中傷にさらされているということを、しっかりと胸に刻んで欲しい。
 私の思いを付け加えれば、この状況で、首都大に誇りを持て、大学を愛してくれ、などと学長はおっしゃるが、不可能である。いままでTAや助教として、大学のため、時には文字通り先頭に立ってやってきた。その結果が大学自身により泥を塗られている。いくら違うといっても、周りからは首都大学東京の否定とみられても仕方がない。このような状況に陥っているのは非常に失望している。また入学したこと自体、心の底から後悔している。
 以上の状況を踏まえて二つ目の質問。学長は「在学生や卒業生へのケアを最優先」とおっしゃっている。非常に心強く思っている。これらデメリットにはすでに都度対応して頂いていると思うが、それらについて具体的に教えてほしい。また、それをwebページ等で広く公にして、卒業生も大学は自分たちのことを考えてくれていると、安心させてほしい。

 最後に名称変更の手続きについて。大学側からの学生への意見聴取は、自治会などを中心とした自主的なアンケートに限るということで、例えば学生ポータルやkibacoなどでの大学から積極的に学生への意見聴取を行ったのかどうかを確認したい。行っていないとすれば、「構成員への意見聴取はベストを尽くし」ていない。
また学長はこれも一回目の説明会で、「全学生を集めて意見聴取する問題では無い」とも述べている。理解しがたい発言だが、真意は。

学長

 メリットデメリットは、立場によってそれぞれ違うので、学長がコメントすべき問題ではない。それぞれ非常に立場が異なる。それぞれについて論じる必要があるか。

 大学が発足したとき、基礎教育センター長として執行部の一因になった。文化の違う4大学がいっしょにやっていけるか、苦しい時もあったが、教職員一緒になって力を併せて、非常にいい大学になってきていると思っている。私はそのことに自信を持っている。したがって、首都大学東京を貶めたり、辱めたり。暴言を吐いたりする人がいるかもしれないが、そんな人たちは相手にしたくない。そんな誹謗中傷、ばかげた暴言は全く当たらないし、そのようなことをいう人物に強い軽蔑を感じる

 在学生や卒業生への様々な手当てについて、大学が教職員心を併せていろんな対策を考えている。コミュニケーションマークや校歌をどうするか、履歴書を書くときどうするか、などを対策会議やワーキンググループで対策を講じている。この過程で必要であれば学生に意見を聞く機会を設ける。

 手続きについて、お詫びするべきことが多い。時間に迫られていた。学生や教職員をあまねく全員集め、意見を聞くべきではなかったかという指摘は承るが、事実上不可能である。教職員は部局長を通じて意見を集めたつもり。学生については、学生からは団体の長から7/27に面会の要請があったので、直接意見を聞くいい機会だと思い、会った。学生団体の長が工夫をして、webのアンケート調査をしてもらったと聞いている。時間が限られ、知っている限りのアドレスだったため、必ずしも全員ではないと聞いているが、2300名を越える回答があり、名称を変更することを是とする意見が過半を占めたとも聞いた。それ以上学生を全員集めてということが8月中に可能だったか、難しかったと思う。できるべストは尽くしたと思っている。

副学長

 それぞれについてメリットデメリットを分析したことはないが、大学自体・構成員・卒業生、全体としてメリットデメリットを考えた。
 メリットは、東京都が設置したことが明確になり、波及効果はあるだろう。
 デメリットは名前がなくなること。卒業生は大学名が消えるため、それはデメリットだと捉えていたし、学長も憂慮し、経営審議会でも発言している。それだけでなく、今の高校生、社会人にとっても、築き上げてきた首都大学東京のブランドがなくなるのは、大学にとって大きな痛手。
 これを両方勘案し、どちらがいいというのではなく、学長が経営審で両方ある、ということを発言したと聞いている。

 卒業生修了生へのケアをどうするか。証明書の記載をできるだけ迷惑が掛からないようにするということもそう。印刷物や広告でも常に首都大学東京という名前を書いていく。名前が消えないよう、忘れ去られないよう、首都大学東京という名前で設立され、東京都立大学に名前が変わっただけであるということを発信していく。カリキュラムや建学の精神は変えずに今後も引き継いでいきたい。その一環で、コミュニケーションマークをそのままシンボルマークとしていこう、校歌を首都大学東京の伝統を受け継いでどう歌う、そういったことを検討し始めた。
 名前が変わったからといって我々が築きあげてきたものを全部消してしまうのではなく、できるかぎり受け継いでいく方向で検討している。

 名称変更については時間もなく、大学が決定する事でもないので、説明会での学長の発言があった。大学で決められることについては、広く学生・教職員の意見を聞きたい。学生ポータルなどを利用したアンケートなどの仕組みを早急に考えている。

総務部長

 いろいろな意見があるが、それを総合して法人としては大学名を東京都立大学に変更することで、都との連携を密接にしていくことで、大学の在り方を都民に理解してもらえる。それが大学認知度やブランド力につながると考える。卒業生修了生にデメリットはあるが、総合して変更することを決定した。
 ケアについては、web等で確実に情報や法人の考え方を、関係者だけでなく都民へ広く公開する。
 手続きについて、全員の意見聴取は行っていないということだが、学生生活実態調査は2年に一回全学生を対象に行っており、そのなかで常に改善してほしい事として、大学の知名度、大学名が挙げられるという事実もある。これも検討の下敷きとなっている。

助教

 メリットデメリットはそれぞれが考える材料として必要である。

 誹謗中傷については、対応しなければ広がる一方であるため、無視をするのではなく、対応をして頂きたい。

 手続きについて、学生を集めることは不可能だが、今の時代web等でやることは十分にできる。しっかりとやっていただきたかった。名称変更の手続きとして不当なのではないかという疑念を持たれることになるので、やっていただきたかった。

学長

 意見は承った。
 説明会は南大沢で3回、各キャンパスで1回、卒業生を対象に新宿でも1度行ったが、そこでの意見などはしっかりとまとめて公表しているし、これからもするつもりである。
 この先大学として決めるべきことは、必要な場合には学生・教職員にもさまざま提案・問いかけをして決めていきたい。その意味でいただいた意見、各意見への大学のスタンス、考え方、答えは全て公表する。


学部3年生から

 なぜ2020年に変更なのか。
 学生へのアンケートは8月上旬にあったが、実施から決定までの時間が短い。学生全員・卒業生・教職員に意見を聞いてから決めてもよかった。
 また1、2年生は東京都立大学として卒業するが、入学時にはそれを知らなかったと思う。1年生が卒業するときに変更したほうが良かったのではないか。
 2020年という時期は、オリンピックや都知事の任期と関係しているのか。

総務部長

 1か月という検討期間は十分ではないのではないかという意見は頂戴している。一方で、ブランド力向上に向けてスピード感を持って取り組まなければならない。また、一刻も早く東京都立大学に変えてほしいという学生の意見もあった。

 文科省の協議、議会の議決、受験生への周知を勘案し、最短の日程である2020年4月の校名変更を予定している。
 7月から初めて出てきた問題点ではなく、認知度の向上・校名の変更、校名についての問題点等については以前から大学や法人の中で議論になっていた。

副学長

 2021年や22年の変更にすれば、学生などにも意見を聞けたのではないかという指摘だと考える。「もっと時間がほしい」という学生からの意見はあった。学長はそれを経営審議会で伝えてはいる。
 推測だが、都知事が「スピード感を持って検討しろ」といわれた事は、かなり言葉としては重かったのだろう。
 もう一つ、卒業した大学の名称が変わってしまうということをできるだけ避けたいと考えていた。そうなっている方には非常に申し訳ないが、そういう方を少しでも増やしたくない。変えるのであればできるだけ早く変えたほうが、卒業した大学が変わる卒業生を増やさないで済む、そういう気持ちもなかったといえば嘘になる。もし変更するのであれば最速で変更したほうが、被害を最小限に抑えられるのではないか。そういった考えも我々の中にはあった。
 一方で、議論をする時間がほしかったというのも感じていたし、伝えたが、一方で被害を最小限に食い止めたいということもあって、最終的には2020年から変えると決めた。


学部4年生から

 学長はじめ名称変更について、在校生卒業生へのケアをして頂けるとのこと、たいへんありがたく思う。
 名称変更によって知名度、ブランド力が向上するとは全く思っていない。大学の評価は10年や20年でどうにかなるものではない。東京都立大学が首都大学東京になったとはいえ、そこまで大きく変わっているわけではないから、メリットについてはあまり無いのではないか。
 小池都知事からの発言もあり、すごいスピードで調整や協議に入っているが、それは東京都立大学から首都大に変わった時と同様で、学生としては大学が政治に利用されているのではないかという思いがある。
 その中で、名称変更にメリットがあるという根拠を示してほしい。

学長

 14年間、首都大は頑張ってきた。教育水準・研究水準は確実に上がってきた。社会からの評価は、急激にはよくならなかったが、1年毎に着実に高くなり、前進してきた。例えば8月の大学説明会では、駅から門までびっしり行列ができ、多くの高校生が参加してくれた。史上最高の人出だった。入試倍率も6.8倍を維持している。全国国公立の大学は180ほどあるが、受験生の多さでは全国では5位(ママ)、高校生のなかでは認知度が高くなってきた。14年間教職員・学生が心を併せて本学のレベル向上に努力してきたその成果である。
 東京都立大学になると知名度がすぐ上がるかというとそんなことはない。日常的な教員の教育研究への努力、真面目ないい学生が来てくれて教育の水準も上がってきている。そういうことが、大学の評価につながっている。
 東京都立大学になっても、その努力を継続して、みんなで前向きにいこうというのが私の心である。
 ただ正直なところ、首都大学東京という名前のわかりにくさよりは、東京都立大学の方が、東京都が設置する大学としてすっきり分かりやすくなるなとは思う。
 それとは別に、名前が変わったからといってそれに安住するとは全然考えていない。変わらず大学をよくするように、みんなで力を併せて、そのことに私は引き続きリーダーシップをとっていきたいと考えている。


学部3年生から

 今年度から学部再編があったが、学生の中で混乱があると感じている。その後に名称変更ということで、二重に混乱が生じている。
 学生へのアンケートでも名称変更という意見が出ていて、大学が対応を考えていたのであれば、一度にやった方が良かった。
 今回都知事の意見があり、すぐに変更するのは、都知事の意見に左右されている印象があり、大学側に不信感を抱いている。名称変更自体はそこまで嫌だとは思っていないが、大学側に不信感を持っている学生が少なからずいるということを理解していただきたい。

学長

 不信感があるとの指摘は承った。
 付言すると学部学科の再編成は長い間考えてきたことで、社会の進歩が激しく目まぐるしいので、学部学科の構成が不変であることはあり得ない。15年20年のスパンでは学部学科の構成は常に見直していく事が必要。
 ただし、学部学科の再編と大学名称変更は、タイミングとしても動機としても全く関係がない。

副学長

 学部学科の再編は大学が主体となってできること。名称の変更は都の定款事項であり、大学が決められることではない。
 学生からのアンケートについては、名称や知名度について改善すべきという意見があったというだけであって、名称を変えてほしいと学生が思っているとは考えていないし、それをみて変更しようと検討したことは一度もない。大学が主体となって名称を変更しようとしたことは一度もない。
 結果として名称変更と再編の時期がずれたのは良くなかったかもしれないが、我々としては致し方ない。

総務部長

 学生からは名前を変えろ、ではなく、知名度を上げてほしいという意見を伺っていた(筆者註:学生生活実態調査のこと)。
 名称を上げるため、法人は広報など様々やってきた。名称については法人大学の意見では変えることができず、都の意思がないと変えられない。大学の名称変更については選択肢としてあり得なかったので全然検討していなかった。
 7月に都から名称変更も選択肢として考えたらどうかということで、新たに選択肢として与えられたので、それをきっかけに検討した結果、法人としても、大学だけでなく法人の発展のために、大学の名称を変更したほうが良いだろうということで、決定した。
 知事から言われたから変えたということでなく、知事からの提案で選択肢が広がった中で、法人として主体的に検討した。


学部4年生から

 学長の言う通り、この10数年で首都大は発展してきた。ならばなおさらこのまま進めばよく、また混乱を最小限にしようとするなら、名称変更の必要はない。なぜ変更にこだわるのか。首都大学東京の歴史を肯定すればするほど、東京都立大学にする必要はないのではないか。

学長

 戻す必要はないかもしれない。しかし学生生活実態調査の中でも、大学名・知名度の向上が6割以上の学生から指摘を受けて、ずっと来ていたのも事実。この名前がわかりにくい、例えば志願書に書きにくい、そういう声が上がってきていたのも事実。
 だからといって大学の執行部が直ちに名称変更を考えようと思ったわけではない。コミュニケーションマークを作る、首都大学東京の前に、小さく都立とつけてはどうかなど、工夫は考えてきた。
 必要なかったと考える方もいることは承知をしている。しかし、学生生活実態調査などの声もあったことは事実。大学として主体的に名前を変えようとしたことはない。
 ですから、変えなくてもよかったのではないかと私に聞かれても、その意見は承りましたっていうしか答えようがない。
 名前がどうなろうとも、この大学はきっと一生懸命、いい大学にいきたい(ママ)と思っている。多分なお一層、これでみんなが心を併せて、いい大学になるように頑張っていきたいと考えている。この大学はいい大学だと思います。

副学長

 知名度が上がるとは思っていない。
 メリットで言うと、都立の大学であるということがはっきりするという点。また最後に大学が来ていないことが書きにくいという点があったことは確か。われわれもそれは認めていて、それが解消できるという点で確かにメリットはあると思う。
 ただ変える必然性があったかどうかは、絶対変えなければならなかったかというとそんなことはない。学生や教職員の意見にも、賛否はあったことは確か。学長はそれを経営審議会で伝え、その結果変えることになった。

 必然性が無かったのは、確かに無かった。その時に変えたほうが良かったのか、変えないほうが良かったのかは今の段階ではわからないが、決まったからには、我々・在校生の皆さん・これから入ってくる新入生の努力によって、あのときいろいろあったけど変えてよかったね、としたい。


助教から

 いまこの場にいるのが15人程度か。この状況が示すように、説明会について周知が不足している。先ほど来、情報の公開や周知をするとおっしゃっているが、この状況が示すように、悲観的にならざるを得ない。
 しっかりと情報の周知、とくに名称変更についての情報の周知を、もっとわかりやすい形で広く伝わるような形でして頂きたい。

学長

 承った。

スポンサーリンク