就活内容について

  

―どうやって会社を選びましたか?  

就活を始めた時、先輩や社会人の方から沢山話を聞きました。しかし逆に沢山の話を聞いた事で、どんな仕事も魅力的に聞こえ、何をしたいのか絞れなくなってしまったのです。 

そこで私は沢山企業説明会に参加しました。 というのも、ホームページの情報よりも、自分の目で見ることをとても大切にしていたからです。 

さかのぼると、高校受験で受験校選びに悩む私へ、母から言われたアドバイスが原点です。そのアドバイスとは「自分の目で見て、判断しなさい」というもの。そうするとどんな選択も「自分で決めた!」という納得感を持つことができます。どんな時も、悩んだらとにかく自分の目で見る、肌で感じる、足を動かすことが私のポリシーです。 

なので説明会にもたくさん参加して、そこにいる人を見て、自分の肌感覚で合う・合わないを判断し、受ける企業を絞っていきました。 

実際、私も過去に人事として採用をやっていたこともあるのでわかるのですが、企業にとってホームページは集客のツール、良いことしか書きません。表面的な情報だけを見て判断せず、ぜひ実際に社員さんの話を聞いて欲しいです。 

世の中には、自分が知らない仕事が沢山あります。私は「就職活動生」という特権を利用して、多くの社会人や経営者と触れ、仕事に対する価値観について聞かせてもらいました。そのことで、未知の世界を垣間見る事ができ、選択肢が広がったと感じます。 

そして就活も終盤に差し掛かり、何社か内定を頂いて悩んだ末に入社を決めた1社の企業で、数ヶ月インターンをしていました。しかしリーマンショックの影響による業績悪化を理由に、4年生の7月に内定が取り消しとなってしまい、またゼロからのスタートになってしまいました。 

 

―そうだったのですね。どんな気持ちでしたか? 

当時は焦りましたが、今では「内定取り消しをしてくれてありがとう」という気持ちです(笑)何故なら、その会社は事業内容というより社員さんに魅力を感じ、入社を決めていたからです。つまり人で選んでいました。もちろんどんな方と働くかは大切ですが、その人と働けるかは、会社が大きくなればなるほどわからないし、人は辞めていなくなる。人で選ぶのは長い目で見て本当に危なかったと思います。  内定取り消しから「これから何をしたいのか?どんな自分になりたいのか?」を改めて考えるチャンスをもらいました。 

そこで私が考えたのが「どんな状況でも通用するスキルを身に着けられる、最速で成長できる会社に行きたい」ということ。そこで社員数30人未満のベンチャー企業に入社しました。 

ベンチャーだからこそ、大企業では考えられないスピードで仕事を任せてもらい、結果を求められました。失敗歓迎の文化で、いろいろなことに挑戦させてもらいました。夫の海外転勤の都合で、退職するまでの3年間、ものすごく働きましたね。残業代込みの給与だったのにもかかわらず、土日も関係なく深夜1時まで働いていました。 

 

自分が何を目指しているか?によると思いますが、自分がどこに行っても通用するスキルの土台を身に着けられたという意味で、この会社に入ってすごくよかったと思っています。  

ひとつ言えるのは「新卒で入る会社はすごく大事」という事。なぜなら、自分の働く「基準」を作るからです。私が新卒入社したのは、スピードと結果を求められる会社でした。上司も先輩も同期も物凄く優秀でしたし、スピード感も早く、自分で考え行動する文化の会社でした。それが自分の当たり前となり、新卒の会社を辞めて他の会社に転職したときに、周りの仕事のスピードが遅く感じました。 

つまり良くも悪くも、最初に入社する会社が自分の「基準」となります。働く基準が高ければ、あとから緩めることはいくらでもできます。私は今でも、この基準に助けられています。 

 

 

―学生時代から今に繋がることが沢山あるんですね。  

はい、そう思います。一見関係ない様にみえる経験も、不思議と全て繋がっています。今振り返ってみても、無駄なことは一つもありません。だから、今やっている目の前のこと、楽しいことも辛いことも、一つ一つを噛み締めて、大切にしてほしいなと思います。 

たった一度の出会いが人生を変えることって、結構多いと思うのです。私がそうでした。だからこそ、どんな時もアンテナをはって、目の前の方との出会いを大切にしたいと思っています。 

出会いもそうですが別れもそうで、会社を辞めるとき、サークルを離れるとき、その去り際こそ大切。出会ったご縁は、いつかまたどこかで出会うことがあるかもしれない。辞める時こそ適当にせず、感謝を伝えて、また次に進む。そうすることでご縁が思ってもいないようなところでつながってきます。連絡があるなしに関わらず、見てくれる人はずっと見てくれているし、応援してくれると思いますよ。 

―最後に学生へメッセージをお願いします

いま自由に使える時間が沢山あるのならば、ぜひ沢山の挑戦と失敗をして欲しい。そうすることで「自分の事を徹底的に知ること」ができると思うのです。 

内にこもるより外に出る。人と関わり刺激を受ける。行動し続ける。 

そうしていく中で【寝る間も惜しんでやりたいほど夢中になれること】がやっと見つかると思うのです。
そして、「自分ってこんな事もできたんだ」「これは苦手だな」という知らない自分に出逢えたり、「こんな人になりたい!」という目標ができたりする。 

【自分のことがよくわかってる】って、どんな選択をする上でもとても大切なことです。就活でも転職でも、結婚でも出産でも、子育てをしていても思う事です。 

みなさん「この選択をしてよかった!」と思いたいじゃないですか。そのためには「自分が何に対して心地いいと思うのか、幸せを感じるのか」を知っている必要があります。自分のことは他人は幸せにしてくれない、自分しか自分を幸せにできないですからね。 

もしかすると、何かに挑戦することって、ハードルが高く聞こえるかもしれません。 

でも私がお伝えしたいのは、やりたいことは軽い気持ちで、勢いで始めていいし、辞めたり逃げるのがカッコ悪い事ではないと思うのです。昔の私は、辞めることがカッコ悪いと思って挑戦できない時期がありましたが、今は逆に、失敗を恐れて何も行動しなかったり、やりたい事を先延ばしにする方が、長い目で見てリスクだなぁなんて思います。

2人の子どもを育てていて感じる事なのですが、子どもは本当に天才的で、自分のことをわかっている。大人が太刀打ちできない素晴らしい感性の塊で、自分に可能性しか感じていないし、なんでも挑戦します。 

大人になり、経験を積む事で、逆に失われる感覚もあるのです。年齢を重ねるうちに、周りからの目や評価を気にしてしまったり、自分を低く見積もったりして、言い訳を考えるようになります。 

だから、これからの人生で一番若い「今日」が一番、柔軟な判断ができて、挑戦がしやすい。だから今すぐ、やりたいことに挑戦してください!! 

変化が求められるこれからの時代には、経験を積むことより新鮮な感性が必要です。5歳の子どものような感性でドキドキワクワクした気持ちでこの世界を見てみたら、きっとやりたいことを見つけやすいと思います。ピンときたことは、先延ばしにしないで、やりたいことはすぐ始めてみてください!私もやりたいことをやって、自分の願いをひとつひとつ叶えて、自分をもっともっと好きになりたいと思っています。 

 

―今後の将来のビジョンや夢があれば教えてください。  

やりたいことはたくさんあります!
でも将来のビジョンという形では、あえて描いていません。
学生の頃は、昔は5年後、10年後にはこうなりたいとキャリアプランをしっかり決めていました。でも、その通りには全くならなくて・・・(笑) その事に固執せずにどんどん形を変えていきました。時代も状況もどんどん変わっていきますし、コロナウィルスのように誰も予想しなかった出来事が起こります。 女性であれば、いつ妊娠・出産をするかもわからないし、未来は予測できない。 

だから私がビジョンを描くのは1年後くらいまでです。さらにそれにも縛られず、「今、私は何にワクワクする?」という気持ちを大切にして、毎日を一生懸命に楽しく過ごしています。 

登山に例えてみるならば、山頂つく(目標を達成をする)まで苦しい努力をするよりも、山道を歩くこと(プロセス)が楽しいことが重要。結局、天気や体調が理由で山頂につかなくて目標が達成されなかったとしても、その一瞬一瞬が楽しいことが大切だと思うのです。 

私の中では「今どう感じてる?ワクワクしてる?」という事を常に自分に問いかけています。目の前の出来事や出会う人と、今、心から幸せな時間を過ごすことの連続が、私の人生です。 

不安定な世の中だからこそ、やりたいことがあれば、すぐやります。私の中で「あとでやる」と思うことは、大抵やらないのです。自分のことをよく知って、やりたいことをすぐ現実にして「今を大事に」これからも過ごしていきたいと思っています。今を楽しむ天才の我が子2人から、教えてもらっていることばかりです。 

時間があった学生が天国のように言われることもありますが、私にとっては社会人の方がずっと楽しいと思うし、結婚して子育てをしている今の方が「自由」を感じています。 

ぜひ、今ワクワクする自分の正直な気持ちを感じながら、将来起こるライフステージの変化も楽しみに、過ごしてもらえたらなと思います! 

 

 

 

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