就職活動について
―就活のポイントがあれば教えてください。
企業の目線を理解したうえで、自らの経験からストーリーを紡いで伝えることが重要です。以下は私見になりますが、企業が学生さんに聞きたいことはほぼ以下の2つに集約されるのではないでしょうか。
1つ目は“その企業が求める能力・素質を持っているか”ということで、平たく言えば、“あなたはできる人なのか?”という目線です。
2つ目は、“その企業が目指す方向と志望者のキャリア観に乖離がないか”ということで、平たく言えば、“あなたは会社に合っているのか?“という目線です。
前者は、会社や職種によって仕事の性質は異なりますので、できる人の定義はケースバイケースです。ただ、どの会社にも共通して求められる能力や素質はあるのではないでしょうか。ぜひ自分のアタマで考えてみてください。
次に後者についてですが、採用・育成後に会社を辞められてしまったら、会社はその分のコストを損するのみならず、本来であれば追いかけることのできた新たな機会を追いかけられなくなります。そうような事態を避けるためにも、会社は相性を確認する訳です。自分の経験をアピールするのも良いのですが、論理的に、なぜこの業界か、なぜこの会社かを伝えなければなりません。
ここまで、不本意にも就活の方法論をお伝えしてしまいましたが、ぜひ皆さまには就活のための学生生活を送らないように留意いただきたいと思います。学生に残された時間は本当に僅かしかない、という認識のもと、自分の興味や直感を大切に全力で色んなことにチャレンジしてみてください!
―企業選びのヒントになりそうなので質問させてください。日系と外資系の違いはどんなところにありますか。
私の経験も踏まえ、一般論をお話しさせていただくと、日系と外資系とでは、①カルチャー、②キャリアパス、③評価、昇進、報酬の考え方が大きく異なります。ぜひここは自分でも調べていただきたいのですが、これらは職能制か、職務制という人事制度の考え方の違いに起因します。中には、短絡的に外資系=成果主義、日系=年功序列*5 と捉えている方がいますが、そんな単純ではありません。それぞれに理論上のメリット・デメリットがありますし、また実運用としてできる・できない、があります。
これまでお話したのはあくまでも一般論です。皆さんが就活をされる際は、ぜひカルチャー、キャリアパスなどは志望する会社の社員にお話を伺うことをお勧めします。
それと、前段でお話しましたが、外資系企業=グローバル=海外勤務可能とは必ずしもならないことは留意いただきたいと思います。グローバルを一つの軸としている方は、海外駐在したいのか、海外出張でよいのか、国内でも英語を使って仕事ができれば良いのかをよく考え、自分に合った選択をしていただければと思います。
*5勤続年数や年齢などに応じて役職や給与を上昇させる制度・慣習
―ありがとうございます、最後に学生にメッセージをお願いします!
最後に2つだけお伝えさせてください。
1つ目は、よく分からないけど何か惹かれること、興味を持っていること、また問題意識を大切に、ぜひ考えて→行動して→また立ち止まって考えて→行動して、というチャレンジをしてみてください。
2つ目は、色んなことチャレンジする中で一生もの仲間をたくさん作ってください。
皆さまの学生生活が実りの多いものとなることを願っています。