映画サークルKINOさんの提供作品を大公開…!!!!
さて、今回はいよいよ都立大の映画サークルKINOさんの作品を紹介していきたいと思います!
そもそも『突然失礼致します!』って何のプロジェクト?という方は前回(vol.1)をご覧ください。
公式HPはこちら:https://a.japaration.jp/
早速本題ですが…なんと!
今回は特別に許可を頂いて、KINOさんの作品をトリコネ内で見られることになりました。
まずはこちらをご覧ください。
↓↓
1作品目『1000』
監督・出演:田巻(田巻 圭登 人文社会学部人文学科1年)
2作品目『距離と表示についての考察』
監督:前田甲殻類
出演:高嵜 大(人文社会学部人間社会学科 3年)、琢磨 恭子(経済経営学部経済経営学科 3年)、中野 日香理(理学部生命科学科 3年)
いかがでしたでしょうか…!
こちらの2作品、KINOさんの中でも1年生が中心となって作り上げたそうで…!!
ということで今回は、
プロジェクト全体の企画担当をされた3年生の中野日香理(なかのひかり)さん、
監督・脚本・演出を担当した1年生の田巻圭人(たまきけいと)さん
に取材をしてまいりました!
(以下敬称略)
この作品に込める想いとはなにか…、コロナ真っただ中(5,6月)での作製の大変さ、などなどいろいろなことを伺いました。
ぜひ、この記事を読んだ後にもう一度作品をご覧ください☆
課せられたテーマは「希望」、考えたのは「希望する」こと
例によってここからはトリコネ君がお届けします。
田巻:
まず考えたのはテーマの「希望」について。
抽象的でありながら全体で180の作品が集まるとなると内容は基本的にかぶると思いました。
そこで、
・自分たちの個性を出すこと
・東京都立大学、八王子という地理的状況
ということをまずは考えました。
また、自分の中で「希望」というのは幸福とは違うと思っていました。
幸福
…点で与えられるもの、恩恵をうけてしまった時点で幸福となる。
希望
…過去現在未来と繋がりをもって生み出される概念。
幸福とは反対に問い続ける・向かっていくような姿勢である。
だから「希望する」という動詞で、流動的なものとして捉えました。
また、コロナ渦だからこそのテーマだったと思いますが、前述したとおり希望は流動的なものでいつでも必要、本来希望とコロナとは関係なく存在するモノだと思うのです。
だからこそ、
1作品目は希望そのものを問うパターン、2作品目でコロナ/自粛生活における希望とは何か問うというパターン、にしました。
日常にも、1000年後にもある希望
田巻:
自身の考えとしては希望はむしろ日常にしかないのかもしれない、と思います。
また、二項対立的に、絶望や孤独があるからこそ希望があるのではないでしょうか。
ひとり、お風呂で孤独を感じて、それを乗り越えたときに希望に対する答えがあるのではないか、と。
また、希望とは流動的であると考えて、今そして1000年後の希望とはどんなものか、と問い考察を与えました。
中野:
お風呂での孤独感はめっちゃわかる。
(お風呂入るんか)
田巻:
ついでに言えば、一人暮らしをはじめて一番面白かったのが「ユニットバス」という構造。
日常と非日常の間というか、孤独感、密室感、変な感じが、面白いと思いました。
中野:
この作品を見たときには凄いなと思った。
1作品目ではメイクとして関わったが、そうした中で独特の世界観を描いてくれたことがうれしかったです。
てっきり希望といえば明るいイメージのものを想像していたのでそんな捉え方もあるのか、と思いましたね(笑)
それをメイクでかかわって表現しているのもすごいにゃ…。
シンプルな問いと現代の矛盾を表現
田巻:
2作品目はシンプルに会話の中で、自粛生活のなかの幸福感とか希望に対して問う、
というような会話劇の作品。
だがしかし、こだわっているのが言い回しやセリフで、
サブテーマの「インターネットの矛盾」を表現しています。
終盤の4人が別れるシーンのセリフはそれぞれ時制をずらしていたり、
最後の英訳画面が映されるシーンも、Google翻訳をそのままつかっており文法はめちゃくちゃだったり。
インターネット上でも会話はできるけど、果たして意図は伝わるのか、
ズレはあるけど、その中でも希望が見つかればそれでいいじゃん、
など、いろいろ考えました。
また製作中のノリとしては、みんなで会話をやりながら楽しくできたらな、と思いました!
中野:
実は、出演者の4人、田巻くん以外は3年生だった上に、まだコミュニケーションもそこまで取れていなかったのです。
そんな中でまとめてくれたり、的確な指示を出してくれたことに凄いと思いました…!!
大変だったのは、田巻くんともう一人の3年生男子のキャラがかぶってしまったこと。
初対面ならではのハプニングでした。(笑)
田巻:
映画の脚本を書くことも初めてだったので、いろいろな意味で実験的だったと思います。
また、「みんなですること」の楽しさを感じることができましたし、。
真面目にミーティングに来てくれたり、優しく接してくれたり、安心してできました。
ありがとうございます!笑
中野:
私こそありがとうだよ!笑
※コロナ以前、普段の撮影の様子。都立大近くの富士見台公園にて。
一握りだけでもつかめるものがある
この『突然失礼致します!』プロジェクトを通して、自身に変化や気づきはあるかにゃ。
中野:
当初、KINOには「趣味を生かしたい」という気持ちで入っていました。
活動自体も映画鑑賞サークルという面が強かったです。
ですが今回のプロジェクトを通して、「映画を作る」というゴールを作り達成することができて、その面白さをとても感じました。
また、プロジェクト全体の宣伝部に所属し各団体担当者とミーティングを重ねていく中で、都立大のKINOだけじゃなく、
他大学のことも視野に入って、どうしたらプロジェクト全体が上手くいくだろうか、と考えるようになりました。
お互いに協力し合たり、小さなことの積み重ねでしたが、それによってこのプロジェクトが『カメラを止めるな!』のキャストさんに届いたり、内閣官房からの認定(beyond2020というプログラム)も得ることができています。
自分たちの作品を、色々な手を打って発信することでなにか一握りだけでもつかめるのもがある、まさに「売り出す」という経験ができたなぁ、と思います。
田巻:
今までは一人でインプットもアウトプットもしていて、グループで活動する経験がありませんでした。
だからこうしてKINOの中でかかわりながら完成して提出できたことがいい経験でした。
また1年生だけで製作していた他の団体があったり、人脈を持てたり、とても刺激になりました。
今、伝えたいこと
そんな中で「だれか」に「なにか」伝えたいメッセージはあるかにゃ…。
中野:
現時点では、体育会の活動は認められているのに、サークルは許可が下りていません…。
(※11月初旬時点)
真摯に動いているサークルもきちんとあるのにな、という気持ちです。
それとは別に、今日を含め1年生の話をきいて、「やりたい」という気持ちや感性を伸ばしたいという思いに応えられるよう、幹部代としてしっかり準備したいと責任感を感じた。
また、このような経験ができたことで、この状況でも何かできた、関われた、という自信になる。さらにこの経験が発信されることで、誰かが動くきっかけになるといいな、と思う。
田巻:
今年の1年生は、特に前期にはほぼ動きがなく、今も大変な状況だと思う。
その中で、自分はこういう経験ができたので、それを他の1年生にも伝えて一種のモデルケースとして参考程度にしてくれればうれしい。
また、大学も冷静に状況に対応してくれているが、もう少しサークルに関しても規制を緩和してほしいと思う。これは1年生や18,19歳という時期は多感で重要だと思うため。
この一大プロジェクトがKINOさんにとどまらず、都立大全体への何か影響になることを僕も願うにゃ。
今回は都立大映画サークルKINOさんの作品を紹介しました。
特筆すべき点は、コロナ渦真っ最中にこの作品を作り上げたことではないでしょうか。
細心の注意を払いつつも、できないことを諦めないで「何かする」ことで、やはり得られるものは大きいのだな、とお話を伺っていても思いました。
こんな都立大生がいることや映画の面白さが伝わっていれば、とっても嬉しいです。(笑)