第16回 OBが語る!スタートアップ企業の働く魅力と就活の軸とは?

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今回は都立大OBの小嶋様にインタビューを実施させていただきました。小嶋様は営業職に特化した人材紹介事業を行うスタートアップ企業で働いています。スタートアップやベンチャー企業での働き方を詳しく知りたい方必見です。

プロフィール
2002年3月 東京都立大学 経済学部 卒業
2002年4月 リクルートの求人広告の代理店で営業として法人顧客の採用支援採用支援に従事
2011年    マーケティング支援の会社で取締役
2016年    テストを行うIT企業で営業マネージャーとして従事
2018年    イノセル株式会社に入社

現在の仕事について教えてください。

私が所属するイノセル株式会社は営業特化型ヘッドハンティング、採用・転職支援事業を行っている会社です。特にIT業界の成長企業中心に取引しています。クライアントにはマザーズ上場企業など複数社あります。従業員数は現在14名です。その中で私は営業チームの責任者をしていますが、小さな会社ですので、経理や採用など営業以外の仕事も対応しています。

▼イノセル株式会社のホームページ

現在の仕事を選んだ経緯について教えてください。

転職希望者として、企業紹介やキャリア相談をしたくて弊社の社長と会いました。社長は私が最初に勤めていた会社の先輩でした。社長とは数年に一度の頻度で会うような関係でした。私が40歳になるタイミングで今後のキャリアについて社長に相談した際に、「うちの会社で働かないか」と声をかけていただきました。

私はもともと独立志向は持っておらず、どちらかというとリーダーシップを発揮している方のサポートをする仕事をしたいと考えていました。弊社の社長はリーダーシップがありましたし事業にも共感していたので、ぜひサポートしたいと思って入社を決めました。

現在の仕事の魅力的な点を教えてください。

自分のスキルを向上できる点です。弊社はベンチャー企業で従業員が14名と小規模な会社です。そのため、自分のチーム以外の仕事も任されます。200名規模の企業で働いていたときは自部署の仕事のみ担当していましたが、当時経験できなかった仕事も任せてもらっています。初めてのことが多く苦労しますが、仕事の経験を積めるので前向きに取組んでいます。

 

つぎに人材紹介業の仕事のやりがいです。人材紹介業は求職者と求人企業のマッチングが主な仕事で、双方のクライアントに課題があるという点が特徴です。多くの仕事は1つのクライアントが課題を抱えており、その課題を自社のリソースを使って解決しますが、人材紹介はマッチングによって両者の課題を解決する点がユニークです。

 

例えば、私は30代・40代の男性求職者をよく担当しています。最近だとコロナ禍の影響で求職者の所属企業の業績が悪く、給料が下がってしまう事例がありました。この年代の男性は家を購入していたり、子供を養っているケースが多く、給料の低下は死活問題です。

 

一方で、上場直後の企業は人手不足という課題を抱えています。業績を伸ばしたり、社内体制を整える必要があるため、これらの業務に割り当てる人材が必要です。このように求職者と求人企業はそれぞれの課題を抱えています。求職者にとって職探しは人生に関わりますし、企業にとってはビジネスの成功に関わります。自分がマッチングの一旦を担うことに対してプレッシャーはありますが、私たちが介在することで両者の課題を解決できる人材紹介業はとてもやりがいがあります。

学生時代について教えてください。

学生時代は学業とアルバイト中心の日々でした。というのも私は学費を自分で払っていたので、アルバイトで稼ぐ必要がありました。多い時は週5~6日で働いていました。

学生時代に学んだことを教えてください。

アルバイト中心の生活でしたのでアルバイトから多くを学びました。その経験の中で学んだこととしては、「外部環境を変えるのは難しい場合もある。その中で自分ができることを見つけよう」という考えを持つようになりました。というのも、私のアルバイト先はなぜか潰れてしまうことが多かったんです(笑)大学時代は全部で4つのアルバイトを経験したのですが、そのうち3つはお店が潰れてしまいました…(笑)

 

初めてのアルバイトはしゃぶしゃぶ屋さんでしたがまずこのお店が潰れてしまいました。ちょうど私が働いていた頃、狂牛病という牛の病気が流行しました。その狂牛病のせいで日本中で牛肉を食べることが敬遠されました。私の勤めていたしゃぶしゃぶ屋さんもその流行の煽りを喰らい、潰れてしまいました。

次に働いたのはガソリンスタンドです。私が働いていたガソリンスタンドはフルサービスのガソリンスタンドだったのですが、当時はちょうどセルフサービスが流行りはじめた頃でした。セルフサービスの方が安価にガソリンを給油できたからです。その流行の結果、フルサービスのガソリンスタンドの需要が減ってしまい、私の働いていたガソリンスタンドは潰れてしまいました。

3つ目のアルバイトは次こそ潰れない職場にしようと思い、個人経営の人気焼き鳥店を選びました。人気だから店が潰れないだろうと安心していたところ、今度は焼き鳥店のマスターが急性アルコール中毒になってしまい、店舗運営ができなくなってしまいました。その結果倒産してしまいました。

このような経験をしてきたので、世の中は自分じゃ変えられない部分もあるということを学びました。もちろん変えられることもありますが、本当に難しい時は潔く諦めて、「自分のできることを見つけよう」と思うようになりました。

就活について教えてください。どういった軸で活動していたのでしょうか。

「法人営業」と「きつい仕事」の2つを就活の軸としていました。

「法人営業」については、私は人と関わることが好きだったので外で働く営業にしようと決めました。また"法人"営業を軸としたのは企業を知りたかったからです。経済学部の授業で"企業"について学ぶ機会が多く自然と興味を持ちました。そんな中、法人営業を担当すれば"企業"に詳しくなれると思い、法人営業ができる会社に絞って就活に取り組みました。

 

「きつい仕事」については、私が所属していたゼミの教授が「君らが働く時代は終身雇用は崩壊している」と話していたことが影響しています。この話は教授が繰り返し話していたので強く印象に残っていました。私自身もその考えに共感し、安定している企業より自分の力を伸ばせそうなきつい仕事ができる企業を探しました。

就活はどのように進めていましたか?

自分の軸と合いそうな企業の説明会に参加しました。かなり説明会には参加していたと思います。1日に2、3件参加したこともありました。その中で、自分の感覚と合いそうな企業を選びました。

就活で苦労したこと、工夫したことはありますか?

最初はテクニックだけで面接を乗り越えようとしていました。ただ、なかなか選考を通過できず苦労しました。途中からなぜ自分は法人営業をやりたいのか、きつい仕事が良いのかと自分の軸を深く掘り下げてしっかりと話せるように準備をしました。その結果、面接も通過しやすくなり内定をいただくことができました。

就職した1社目はどんな感じだったのでしょうか?

自分が望んだ通りかなりきつかったです笑 飛込み営業もやりましたし、1日100件ノルマが課されたりしました。ノルマ達成するまで帰れないなんてことも…(笑)

一番思い出に残っているのは、2002年に日韓W杯が開催されていたときです。当時日本が初のベスト8進出をかけてトルコ戦に望んでいました。世紀の瞬間を見届けるため、日本中が仕事そっちのけでテレビを見ていました。そんな中、私はノルマ達成のため営業を続けていました。飛び込み先で「こんな時期に営業してくるなんて非国民だ!」と罵声を浴びました(笑)今となっては笑い話ですが、そんな辛いことを言われながら、メゲずにノルマ達成のために活動を続けたことは社会人の基礎になっているなと思っています。(笑)

最後に都立大生に向けてアドバイスをお願いします。

ここ1年間は新型コロナウイルス感染症の影響で自由に行動できず、思い通りにいかないことも多々あるかと思います。このように自分一人ではどうしようもできないことはあるものです。そんな時は嘆くのではなく、開き直りも大事だと思います。その環境の中で自分ができることを探し、粘り強く取り組むことが大事だと思います。就活頑張ってください。

 

 

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