1社目の仕事について

―次にお仕事について教えてください。なぜ、1社目に外資系コンサルティングファームを選択したのですか

これまでも色んなことにチャレンジするのが好きだったこともあり、“社会人になっても自らの選択肢を狭めたくはない”という考えがベースにありました。言い換えると、若いうちに力をつけることのできる業界や会社が良いという思いがありました。その上で、インドでのインターン経験から、①グローバルな仕事であり、且つ、②日系企業の海外進出や経営課題解決をしたい、という思いがあり、これらを総合的に勘案した上で1社目の外資系コンサルティングファームより頂いた内定を受諾することとしました。

なお、①は海外で仕事をする楽しさを実体験できたことが大きいです。②はインドに進出している日系企業の先輩方より話を伺う中、プロダクトの技術(研究開発力)というよりも、組織マネジメント、マーケティングなどのいわゆる経営において課題があることを知れたことが大きいです。

ここまでは就活の面接でも話したことですが、実のところ、インドから帰国した後に真っ先に思ったのは“海外MBA(経営学修士)に行きたい”ということでした。就活をしたのは力試しをしてみたかったからであり、実は就活と並行して海外MBA進学に必要なTOEFLなどの試験勉強をしていました。

私の場合は、二足の草鞋であったものの、幸運なことに身の丈以上の会社から内定をいただくことができましたが、過去の自分にアドバイスできるのであれば、「もっと謙虚に就活に臨め」と言いたいです。当時、大手総合商社、外資コンサルティングファームなどの業界大手の会社のみを受けていました。多分、合計で7-8社くらいしか受けていないと思います。

もし内定が1社もなかったら本当に今頃何をしていたのだろう、と思ってしまいます。新卒のカードは本当にかけがえのないものです。就活は決して簡単ではないし軽視すべきではありません。

なお、海外MBAについてどう折り合いをつけたかというと、費用対効果の観点から、1度社会に出てからが良いのではないかと考え、就活後に中断しました。

 

―1社目(外資系コンサルティングファーム)では具体的にどのような仕事をされていたのですか

私が入社した会社は、戦略、オペレーション、ITなどと多岐に亘るコンサルティングサービスを提供していたのですが、その中でも私は戦略コンサルティングチームに所属しさまざまな案件を担当しました。戦略コンサルティングといってもいろいろあり、私の場合は、製造業、金融業、運輸業、通信業などのお客様に対して、新規事業構想策定・実行支援、In Out*1M&APMI*2支援、組織・グループ再編支援、グローバル人事変革支援などを経験させていただきました。

あまり仕事のイメージが伝わらないと思いますので、例として、新規事業構想策定案件についてお話をさせていただきます。まずお客様より「AIやブロックチェーンなどを活用した新事業を検討しており、〇〇といったコンセプトはあるのですが、その具体化や事業立上を支援してもらえないか」といったご相談をいただきます。それに対して、市場、顧客、競合の動向、お客様の事業の強みを調査・分析しながら、誰に・何の価値を・いくらで・どのような方法で提供すべきかを検討し、ビジネス仮説に落とし込んでいきます。仮説を整理した後、顧客候補へインタビューを行い、フィードバックを得ながらサービスの軌道修正やブラシュアップを行います。ある程度需要が見込めると分かったタイミングで、事業計画に落とし込み、実際のサービス開発も支援します。こういった案件は、大体34名程度のメンバーで、36ヶ月ほどかけて取り組みます。

私は約4年間1社目の外資系コンサルティングファームに在籍していましたが、合計で10案件ほどを経験しました。

*1 日本企業による海外企業の買収案件のこと

*2 Post Merger Integrationの略で、企業や事業買収後の経営統合のこと

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